やどかり生活
むかしむかしの若い頃。
とあるバイトで先の同僚が
やどかりのような生活をしていました。
癒し系美人でスタイルもよくオシャレ。
誰に対しても笑顔で人なつっこい人でした。
そんな美人さんは、常に恋人の家に住んでいました。
同棲といえば聞こえはいいですが。。。
ちょうど恋人と破局しそうな時期に
「彼にフラれそう。このまま悪化すると家を出ていかないといけなくなる。はやく次のひとり暮らしの男性を探さないと」
と、焦っています。
え?
同居している間、美人さんは家賃も光熱費も食費すらも何も払ってません。
「一人暮らしすれば?」
聞くと全く貯金が無く。むしろ借金だらけ。
美人さんは10代からひとり暮らしの男性の家に住みつき、別のたびに次の男性を探して再び転がり込む形で生活してきました。
稼いだお金は全部本人の身に纏うものに消えていると。
そしていつもフラれるのですが、
その原因はきまって「お金」
本人の持ち金が無くなると、
相手の財布から抜き取ってしまい
それがバレて・・・。
なんどか話を聞いていると
美人さんは「普通ではないが、生きるためにこれしか手段がなかった」と過去の辛い話をしてくれました。
彼女の家庭は荒れに荒れ、身の危険から逃がれるために10代で家出するしかなかったのです。
・・・それはもう。壮絶でした。
家出の流れから大人になってもやどかり生活。気がつけば満たされない心の渇きから散財してしまうと。その内に身につけないものなども買い漁るようになってキャッシングの自転車操業で身動きが取れない状態。
そんな美人さんがあるとき。
ポツリ。
「服は好きだがなんでも欲しい訳じゃない。自立した生活をしてみたい・・」
その当時「私ができることはなんだろう?」
考えた結果、ひとまず借金精算では?と考え、借金関するプロが知人がいることを思い出して紹介することにしました。
美人さんは「ものを買っても心は満たされない」と気づき始めていたので思い切って新しい生活に進む決意をして知人のところへ相談に行きました。
その後の詳細は聞いていませんが、ひとり暮らしをして、小さな頃から憧れていた仕事に就いているそうです。
私がカウンセラーとして活動する前に、厳しい現実で生きている人に複数出会いました。
いずれも両親が子供に愛情を注ぐことを放棄・感情を押し付けての虐待によって、子供は必要な学びや愛を受けずサバイバルな生活を強いられ過酷な人生を歩んでゆくことになります。
母や父になることとは、二人に誕生した命と生活と尊厳を守る重要な役割があることを自覚することから始まるのかな。
サバイバル生活のなかでもトンネルを抜け出す勇気を持てる人達に巡り会えますように。