パンドラの箱
湧き上がった感情。
悲しいこと、孤独感、不安になること、寂しいとき、痛みを感じた経験。
そんな苦しみに押し潰されそうになるから
いつしか心の中に箱を造り、詰め込んで鍵をかけるように。
コツコツと箱に詰めていくと、寂しさや不安を感じづらくなってきた。
それと同じく、楽しさや喜びなどのポジティブなことの感情も鈍くなり「無」に近くなってゆく私。
なぜかしら?
ネガティブをしまってしまえばポジティブだけになると思ってたのに。
明るい子になれると思ったのに。
前よりも無理に笑っている気がする。
時がたつにつれ心の中の箱がギチギチになっていることに気づく。
・・・この箱が開いてしまったら、私は闇に包まれ生きてはいられなくなってしまうかもしれない。
今度は箱の存在が恐怖となる。
それでも辛くて箱が壊れないように、少しづつ拡張しながらネガティブな荷物を詰めてゆく毎日。
・・・・・
とうとう不眠症きっかけに、心のコントロールを失い箱の鍵が壊れてしまいました。
ドロドロとネガティブな感情が流れでているが、箱は閉まらず恐ろしく苦しい思い出なども噴出し、悪夢の毎日。
ところが、人生の終わりはきませんでした。
もの凄く希望していた道を外れることに
なりましたがなぜか後悔はなく。
生き抜くことができました。
その後、かたちを変えて
希望したことに携わることができ
心から笑うことも多くなりました。
そして人を信じて感謝する気持ちが
大きくなりました。
今も箱はありますが
昔ほど大きくありません。
仕舞える量も減ってしまったので
大噴出はしません。
鍵はかけずに
たまに開けて開放できるようになり
今や触れてはいけない箱ではなく時期によって入れ替える箪笥のような感じです。
あなたは箱を持っていますか?
【パンドラの箱】
箱の中にはありとあらゆる悪が詰まっており、開けてはいけない箱。
ギリシャ神話ではその箱をゼウスから「開けてはいけない」と地上最初の女性パンドラにわたされるも、好奇心からパンドラは開けてしまい、禍々しい災いが吹き出す。慌てて閉めたら「希望」だけが底にのこったと。
※元は箱ではなく壺だったそうです。